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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

福岡 伸一

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

定価: ¥ 777

販売価格: ¥ 777

人気ランキング: 47位

おすすめ度:

発売日: 2007-05-18

発売元: 講談社

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ひとりの文学的才能が理系に飛び込んだ故に生まれた珠玉の成果
理系の才能のほうが卓越しているのに文系に入ったり、また逆に、文系の才能のほうが卓越しているのに理系に入ったりするケースは、少なくない。確かに18,9歳の時点で自分のことなどよくわからないものだ。

しかしながら、そうしたミスマッチが幸運な結果を呼ぶことも、またある。本書はその最たるものと言っていい(近年では、ちくま新書『法隆寺の謎を解く』があげられる)。



この世は流れている。無常である。これははるか昔、ブッダがといた教えであった。本書の生命観もまた同じである。

そう、理系・文系という区分け自体がナンセンスに近づいているとしたら、世界も暗いばかりじゃない。希望もまた見えてくるというものである。



ただし、本書がタイトルに正面から答えている印象は低かった。

久しぶりに歯ごたえのある新書を読めた。
タイトルに文句を言っている人が結構いらっしゃるようですが、たとえ新書であっても、その内容を過不足なく表すタイトルを作るのは容易ではないものです。実際ほとんどの本が多かれ少なかれ割り切ったタイトルにしている。この本に関しては、タイトルで言っていることが内容の重要な一部をなしているのですから、僕はそれほど違和感を覚えませんでした。



別の本やテレビ番組で、この本の核心部分に関する知識を多少はかじっていたため、細部を除けば比較的理解しやすい本だったと思います。純然たる「歴史」と著者の体験がない交ぜになっているような構成は、この本が知識を与えることだけを目的としているのではなく、エンターテインメント性をも追求しているからでしょう。出だしは戸惑いましたが、それが分かれば気持ちよく読むことができました。



昨今の新書は、内容の薄いものばかりだという印象を持っていますが、本書は久しぶりに読み応えがありました。たとえ安い値段でもこれくらいのレベルのものは欲しいです。本書の売れ行きが良いのだとすれば、その内容に報いる読者層がちゃんといるということで、世の中まだまだ捨てたものじゃないな、と思います。

プロの科学者のメンタリティ の紹介にもなっています
 生物は、完結した閉鎖系ではなく、動的な相のようなもの、と頭ではわかっていることを、あらためてもう一段深く理解できた気がします。

 ただ一番刺激をうけたのは「プロの科学者のメンタリティ」です。科学好きな子どもが成長しプロの科学者となっていく自伝的ストーリーに、先達のエピソードが複層的に配置された構成は映画のようでした。いまどき、子どもが思い浮かべる将来の自分の職業の中で「プロの科学者」の順位は高くないでしょう。また、この業界ならではの常識は、一般人には関心をもたれていません。こういう競争の中で成果を争っているのか、という驚きがありました。

 そのメンタリティは、ビジネスマンやエンジニアよりも宗教家や芸術家に近いかもしれません。ベースにあるのは、案外、合理的ではないパッションのようなものなのですね。

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